1秒先の彼

2023.06.26

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②第25回台北映画祭レポート(プレミア上映&QA)🎥

6 月 23 日(金)夜は台湾プレミアの上映後 Q&A に登壇。
台湾プレミアのチケットは、発売開始後に約 600 席が即時完売!

台北映画祭の上映作品のなかで最も早く「10 秒」で瞬殺したんだとか。あまりの人気ぶりに、SNS で「チケットを手に入れるには、1秒どころか5秒早い必要がある」と冗談を交えて嘆く台湾現地のファンが多数いたほど。上映前の熱気溢れる満席の会場に山下監督、岡田さん、宮藤さんが入場すると、満場の拍手が沸き起こり、3人は台湾版のキャスト・スタッフ、そして観客とともに客席で映画を鑑賞しました。上映中は細かいセリフや仕草の一つ一つに笑いや反応があり、時には笑い声でセリフが聞こえないことも。劇中ではハジメが「(その地域が)洛中か洛外かどうか」についてこだわるシーンが度々登場します(※京都市中心部とその周辺を示す言葉で、中心部を「洛中」、その周辺を「洛外」という)。一部の京都人は「洛中か洛外か」に強いこだわりがある(とされている)「あるある」ネタをもとに描かれたシーンだが、これは台湾人にとっても一種の「あるある」ネタのようで、その面白さが通じ、上映中に何度も会場から大きな笑いが起きました。エンドロールの主題歌までかみしめた満席の観客は場内が明るくなると、一斉に拍手喝采。3人が拍手に応えるために立ち上がると更に大きな拍手が巻き起りました。
観客からの Q&A では客席から一斉に手があがり、我先に質問をしようと熱烈にアピール。司会者が「たくさん聞きたいことがあるのはわかるけど、質問は映画のことだけに絞ってね」と冗談を交えながらたしなめると会場からは大きな笑いが。質問者のなかには「初めまして。初めましてですが、岡田さんのことが 15 年間ずっと大好きです」と日本語で想いを伝えるファンも✨

【6/23 プレミア上映後 Q&A トーク内容】(敬称略)
――会場の皆さんと一緒に映画をご覧になった感想をお願いします。(司会)
山下:ありがとうございました。チェン・ユーシュン監督の隣の席で一緒に上映を観ていたので、めちゃくちゃ緊張していました。(会場笑)観客のみなさんも笑えるところでちゃんと笑ってくれて。今まで観客と一緒に観たことなかったので、すごく嬉しかったです。
岡田:皆さんと一緒にこの空間で、そしてこの歴史ある場所で『1秒先の彼』を観れたのが嬉しかったのと、緊張もしました。僕が演じた
ハジメくんのことを皆さんがどう受け止めてくれるかなと思っていましたが、笑ってくれてすごく安心しました。ありがとうございます。
宮藤:僕はバスの運転手役の荒川良々くんと郵便局員の伊勢志摩さんと同じ劇団にいるのですが、台湾ですごくウケてたよって伝えます。

――この映画は成功したリメイク作品だと思います。日本ならではの要素もちゃんと入っていましたね。どのようにリメイクをしようと思ったのでしょうか。(司会)
山下:宮藤さんと一緒にどのようにリメイクするか考えていくなかで最初に行き詰まったのはキャスティングなんです。オリジナル版『1秒先の彼女』のメインキャストのふたりが良すぎたので、リメイク版のキャストがなかなか思い浮かんでこなくて。男女反転のアイデアが出てからは、岡田くんが“1秒早い彼”を演じることを思いつきました。岡田くんが郵便局員をやったら面白そうという期待はあったけど、映画になる形は見えてなかったんです。レイカ役の清原さんやほかのキャストも決まって、撮影しながら探っていって。編集して完成するギリギリまでどうなるだろう、と思ってました。今日も観て、すごく不思議な映画になったと思いました。リメイクで形も変わっているのだけど、何故かラストは
同じ。不思議なリメイク作品になったと思いました。

――山下監督と宮藤さんはどのようにして京都の要素をこの作品に取り入れたのでしょうか?(司会)
山下:京都を舞台にするアイデアが浮かんでから、すぐにシナリオハンティングをしに行ったのですが、そのときに天橋立のロケーションもすぐ決まりました。
宮藤:オリジナル版『1秒先の彼女』では、海辺の町をバスが走るシーンがとても綺麗でした。こんな場所がないかなと探していたら、京都には「日本三景」としても有名な天橋立があるじゃんと思って。でも、実はバスは途中までしか入れなかったんです(笑)。それで参ったなあと…。まあ、バスが入れない場所は人力車を駆使してなんとかしました(笑)。

――ハジメ役のオファーがきたとき、この特殊な役柄を監督からどのように演じてほしいというリクエストがありましたか?どのように準備しましたか?(司会)
岡田:監督とリハーサルを兼ねて一緒にハジメくんというキャラクターを作っていきました。まず「人より”1秒早い”ってどういうことだろう」というところから話して、それがちゃんと成立するようにお芝居を作っていくと、キャラクターが個性豊かになっていきました。あともうひとつは、京都弁のセリフを話すことによってキャラクターがものすごい勢いで走り出した感覚が自分の中でありました。監督とそういうのものを一緒に感じながら作り上げていきましたね。

―岡田さんは山下監督作品の『天然コケッコー』に出演し、宮藤さんが脚本を手がける作品にもたくさん出演されていますが、改めてこの二人と一緒に仕事をしてしていかがでしたか?(司会)
岡田:すごく緊張しましたね。お二人を知ってるからこその緊張感。山下監督とご一緒するのは約 16 年ぶりですが、当時僕は高校生だったので、大人になった姿をみせたいっていう気持ちがあって。その緊張感を踏まえてハジメくんという役と向き合えたのは、僕にとってかけがえのない時間でした。宮藤さんは本当に毎回チャレンジングな役を僕に与えてくださって(笑)。宮藤さんとお仕事するときは毎回大変な役ばかりなんです。ちょっとだけ恨んでます(笑)。

<観客質問>――はじめまして。はじめましてですが、15 年間ずっと岡田将生さんのことが大好きです。撮影では何が大変でしたか?
岡田:京都弁です。すごく大変でした(笑)。でも、キャラクターを作り上げるのにはこの京都弁にすごく助けられました。ものすごく練習しました。

<観客質問>――とあるシーンでハジメの父親(演:加藤雅也)が『この世界のスピードについていくことができなかった』と話していたのが印象的で、あのシーンでは泣いてしまいました。
宮藤:僕は原作の『1秒先の彼女』を最初に観た時に、「早い人」と「遅い人」と「それ以外の人」の 3 種類のタイプの人が出てくる話だと思ったんです。この世界のスピードについていける大方の人と、先を行きすぎちゃう人、ついていけない人が登場して、ついていけない人の悲しさや苦悩みたいなものも描かれている。それがすごいなと思って。何度も原作の『1秒先の彼女』を観てるうちに、「早い人」と「遅い人」だけじゃなくて、それ以外の人の存在についても意識するようになりました。

『1秒先の彼女』チームとの交流は「③第25回台北映画祭レポート(『1秒先の彼女』チームとの交流&2度目のQ&A)🎥」にて!

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